楽天カードには、海外旅行中の万が一のトラブルを補償する、海外旅行傷害保険が付帯しています。

カードの種類によって補償内容は違いますが、｢旅行代金を楽天カードで支払っている事｣と｢必要書類を用意しておく事｣の2点がとても重要です。

今回は、旅行傷害保険の手続きの流れや、旅行傷害保険の種類・補償内容などについて詳しく解説します。

クレジットカード付帯の旅行傷害保険

ケガや病気の治療費を補償

クレジットカードに付帯する海外旅行傷害保険とは、海外での旅行や出張中などにケガをしたり、携行品が破損したりした場合に補償を受けられる保険です。

保険会社が取り扱っている保険とは違い、特定の期間だけでなく、カードを契約している間はずっと補償されます。

対象外の利用例
傷害死亡・後遺障害	旅行中の事故が原因で、死亡または後遺障害が生じた場合に補償
傷害治療費用	旅行中にケガをした際に発生した治療費用を補償
疾病治療費用	旅行中に発病した疾病の治療費用を補償
賠償責任	事故によって他人にケガを負わせたり、他人のものを壊したりした場合の補償
携行品損害	所持品が盗難・破損・火災等の、偶然の事故によって損害を受けた場合の補償
救援者費用	旅行中の遭難による捜索・救助費 病気などで入院した際に、救護者が現地に行くまでの航空運賃

海外旅行傷害保険の中でも、傷害・疾病治療費用が付いているかは重要です。

実際、海外旅行へ行って事故が原因で亡くなってしまうケースよりも、病気やケガに遭う確率の方が高く、ちょっと病院に行くだけでも、国内よりも高額な医療費がかかります。

もちろん傷害死亡・後遺障害も大切ですが、傷害・疾病治療費用が補償されるかはチェックしましょう。

楽天カードの旅行傷害保険について

旅行傷害保険の適用条件

クレジットカードに付帯する旅行傷害保険には、｢自動付帯｣と｢利用付帯｣の2種類があります。

自動付帯はその名のとおり、無条件で自動的に適用される保険です。

利用付帯は、一定の条件を満たす形でクレジットカードを利用する事で適用される保険で、条件はクレジットカードによって異なります。

楽天カードの海外旅行傷害保険は、利用付帯になります。

保険の適用条件は、日本を出国する前に｢募集型企画旅行の料金｣に該当する代金を、楽天カードで支払う事が条件です。

募集型企画旅行とは、旅行代理店で予約した、海外パックツアー料金の事を言います。

旅行代金は全額ではなく、1円でも支払っていればOKです。

保険の対象外となる場合

楽天カードの海外旅行傷害保険は、ツアーではなく、個人で航空券を手配して旅行する場合は、補償の対象外となります。

HISやJTBなど、旅行代理店で予約したパックツアーが対象になるため、航空券のみの購入だと適用されません。

対象外の利用例
募集型企画旅行に含まれない 海外ツアー	航空券のみの購入など
国内・海外宿泊料金	海外出発前に空港近くに宿泊した料金
	海外でのホテル宿泊料金 (企画旅行ではなく、手配旅行となる為)
空港利用税	空港利用税を決済した場合など

手配した海外ツアーが対象となるか分からない場合は、購入先の旅行代理店に問い合わせましょう。条件をクリアしていても、出国後に決済をした場合は対象外です。

楽天カードの保険金額

楽天カードは、種類によって利用条件の有無や、付帯されている保険の補償内容が異なります。

傷害死亡・後遺障害だと、楽天カードと楽天ゴールドカードは最高2,000万円、楽天プレミアムカードは最高5,000万円が付いています。

保険の種類	楽天カード	楽天ゴールドカード	楽天プレミアムカード
適用条件	利用付帯	利用付帯	自動付帯＆利用付帯
傷害死亡・後遺障害	2,000万円	2,000万円	5,000万円 ※自動付帯4,000万円 + 利用付帯1,000万円
傷害治療費用	200万円	200万円	300万円
疾病治療費用	200万円	200万円	300万円
救援者費用	200万円	200万円	200万円
賠償責任 (自己負担額なし)	3,000万円	3,000万円	3,000万円
携行品損害	–	20万円 (自己負担額3,000円)	50万円

国際ブランドは関係なく、保険の対象になります。

※楽天カードには、楽天PINKカードや楽天ANAマイレージクラブカードなどが含まれます。

保険の対象はどこまで？

海外旅行といっても、1人旅もあれば家族や友達と行く場合もあります。

楽天カードの海外旅行傷害保険は、本会員と家族カード会員のみ保険の対象となる為、家族カードを持てない18歳未満の子どもは対象外です。

同伴者は、楽天カードを保有している場合は補償の対象となるため、楽天カード会員同士の旅行だと、全員分の保険が適用されます。

楽天カード会員同士の旅行でも、旅行代金を個別で支払った場合は対象外となります。

割り勘はせずに、同伴者の分も旅行代金をまとめて支払いましょう。

保険金請求の手順と必要なもの

病気・ケガをした場合

楽天カードの海外旅行傷害保険は、どの補償を受けるかによって手続きが異なります。

病気・ケガなどの傷害治療費用の場合、病院で治療を受けるのであれば、カード会員が医療費を立て替え、領収証書・診断書を入手しましょう。

帰国後に、保険金請求を行います。

アシスタンスサービスの費用は、海外旅行傷害保険で補償される金額までは保険金として精算されるので、カード会員の自己負担はありません。

救援者・賠償責任のとき

賠償責任の場合、緊急医療等に関するサポートが必要であれば、傷害治療費用の場合と同じく、楽天損保の緊急医療アシスタントサービスへ連絡しましょう。

サポートが必要でなければ、帰国後に保険金請求をするだけでOKです。

携行品損害のとき

携行品損害の場合、まずは現地警察への連絡が第一です。

事故証明などの必要書類を取得してから、楽天カードへ保険金を請求する流れになります。

楽天カードの携行品損害補償で支払われる保険金額は、楽天ゴールドカードが20万円(自己負担額3,000円)で、楽天プレミアムカードは50万円です。

楽天カードには付いていません。

楽天ゴールドカードは自己負担額が3,000円に設定されている為、例えば4万円相当の損害額が発生すると、保険金として支払われるのは37,000円になります。

請求に必要な書類

保険金の請求には、必ず｢必要書類｣がいります。

どの補償を受けるかによって必要書類が異なりますが、事故証明書や日本出国日を示すパスポート(コピー)は必ず必要です。

上記の書類は、どの保険金を請求するにも必ず必要な書類です。

それに加え、傷害・疾病治療費用なら医師の診断書や治療費明細書、賠償責任なら示談書など、それぞれ現地で入手が必要な書類もあります。

問い合わせ

出国前の問い合わせ・帰国後の保険金請求

出国前の問い合わせや帰国後の事故受付は、下記の楽天カード株式会社保険デスク(楽天損保)から行えます。

保険金請求は、事故発生日から30日以内に電話をしましょう。

下記のフリーダイヤルから手続きが出来ますが、海外からは利用出来ません。

渡航先からの問い合わせ

渡航先からの事故受付やその他の相談は、下記のコレクトコール(電話を受けた側が通話料金を負担)から行えます。

カードを手元に用意してから連絡をしましょう。

渡航先でのカードの紛失・盗難は、下記の｢楽天カードコンタクトセンター紛失・盗難専用ダイヤル｣へ連絡をしましょう。

24時間365日受付してます。

まとめ

ツアー以外は補償の対象外

楽天カードの海外旅行傷害保険では、海外旅行中のケガや病気、所持品が盗難にあった場合など、あらゆるトラブルに対応して貰えます。

ただし、重要なのが｢旅行代理店で予約した海外パッケージツアー｣かどうかです。

航空券の手配などすべて自身行う個人旅行の場合、補償の対象外となります。

｢旅行代金を楽天カードで払えば、個人旅行でも補償が受けられる｣と思っている人も多いですが、残念ながらツアーだけです。

個人旅行の補償を手厚くしたい場合は、旅行用に別のクレジットカードを持つのがおすすめです。

以上、楽天カードの海外旅行傷害保険の申請のやり方のまとめでした。

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（参照：楽天カードの海外旅行傷害保険の申請のやり方）

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執筆者プロフィール

石崎　英司（いしざき　えいじ）

クレジットカード歴20年の専門家で、クレジットカードの券面の端の5ミリを見たら「何のカードか分かる」くらいのスペシャリスト。

今までにクレジットカードに関する記事を2,000記事以上公開。

クレジットカード・生命保険・年金などが得意分野。27歳から株を始め、株式投資も20年目のベテランでもある。

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