債務整理で個人再生する場合の費用と弁護士費用を払えない場合の対処法

債務整理で個人再生する場合の費用と弁護士費用を払えない場合の対処法

個人再生とは、民事再生法にもとづき借金を5分の1~10分の1に減額してもらい、最長5年で返済していく方法です。

個人再生は自己破産とは違い住宅などを手放す必要がないので、自分や家族が住むための不動産を所有している人にとっては、最適な債務方法です。

ただ、個人再生をするには複雑な手続きや弁護士費用などが必要です。

今回は、個人再生をする場合に必要となる費用の詳細について、詳しく解説していきます。

個人再生をする場合の費用について

個人再生にかかるお金は?

個人再生で借金を整理する場合、大きくわけて以下の費用が必要となります。

個人再生にかかる費用

  1. 弁護士費用
  2. 裁判所へ支払う費用

弁護士費用については、依頼する弁護士事務所によって費用は変わってきます。

裁判所に支払う費用は、地域の裁判所により金額は一律です。

個人再生を弁護士に依頼せず、自分で手続きすることも可能ですが、このあたりの内容については後で詳しく解説します。

個人再生の基本的な流れなどについては、下記の裁判所ホームページをご覧ください。

参考:裁判所/個人再生手続利用にあたって

弁護士に相談する費用

ここからは、個人再生を弁護士に依頼する段階から個人再生が確定するまで、どのような費用がかかるのか順を追って説明していきます。

まずは、弁護士への相談費用についてです。

弁護士への相談費用は、原則30分以内5,500円(税込)がかかります。

30分で相談が終わらない場合は、15分ごとに延長料金2,750円(税込)も必要になってきます。

参考までに、東京に設置されている3つの弁護士会が運営する法律相談センターの公式サイトもご覧ください。

参考:弁護士会の法律相談センター公式サイト/費用について

弁護士事務所へ支払う着手金や成功報酬

個人再生で弁護士事務所へ支払うお金はいくら?

弁護士に個人再生を依頼し、無事裁判所で再生手続きが完了した場合は、弁護士に成功報酬を支払う必要があります。

下記はあくまでも目安ですが、弁護士費用は着手金成功報酬に分かれ、着手金は弁護士との契約時に支払います。

着手金と成功報酬を含めた合計金額は、おおよそ40万円~60万円くらいを想定したほうがいいでしょう。

下記のとおり、自己所有の住宅がある場合は、弁護士費用は変わってきます。

<弁護士事務所へ支払う着手金例>

住宅資金特別条項を利用しない場合 33万円(税込)~44万円(税込)前後
住宅資金特別条項を利用する場合 44万円(税込)~55万円(税込)前後
個人事業主・自営業者 上記費用に11万円(税込)前後を追加

次に不動産がある場合です。

<自己所有の不動産がある場合の成功報酬>

住宅資金特別条項を利用しない場合 11万円(税込)
住宅資金特別条項を利用する場合 15万7,500円(税込)

上記のほか、弁護士事務所によっては裁判所へ出頭した場合の日当や交通費などが請求される場合もあります。

また、個人再生と当時に過払い金請求をおこなった場合は、過払い金の返還額により成功報酬が請求されます。

裁判所や個人再生委員に支払う費用

個人再生を申請する場合は、弁護士費用とは別で裁判所に支払う費用も必要です。

基本となる裁判所への申し立て手数料は1万円です。手数料以外にも予納郵便切手代(2,000円~3,000円前後)や官報広告費(東京は約13,000円)が必要です。

さらに個人再生をおこなう場合は、裁判所が選出する「個人再生委員」への費用も必要です。

個人再生委員の役割は、申し立て人の返済能力を確認したり面談したりして、長期の返済が可能かどうかを見極めることにあります。

具体的な費用は約25万円で、個人再生を弁護士事務所へ依頼している場合は15万円の支払いで済みます。

個人再生委員が選出されるかどうかは、地域の裁判所により異なりますし弁護士に依頼しているかどうかによっても左右されます。

詳しくは、弁護士相談のときに確認するようにしましょう。

持ち家がある場合の費用

個人再生の持ち家がある場合の費用

上記の「②弁護士事務所へ支払う着手金や成功報酬」でも触れましたが、賃貸マンションなどではなくマイホームを保有している場合は「住宅資金特別条項」の適用を受ける必要があります。

住宅資金特別条項が適用されると、借金は個人再生で減額され住宅ローンは従前どおり支払うことになります。

住宅資金特別条項の適用には複雑な手続きがともなうため、弁護士に支払う費用もプラス10~15万円は準備しておきましょう。

履行テストに必要な費用

この費用以外にも、「履行テスト」に要する費用も必要です。

「履行テスト」とは、個人再生が確定するまでのあいだ「返済のトレーニング」の意味をふくめ、約6ヶ月間試験的に返済テストをおこなうことを意味します。

ちなみに履行テストで支払った費用は個人再生委員への支払い費用に充当されます。

個人再生委員への費用とは別で、あらたな費用が発生することはありません。

参考:破産・個人再生申立ての実務/東京三弁護士会研修会より/9頁参照

個人再生に必要な費用を抑える方法

ここまでの内容をみると、個人再生には弁護士費用として40万円~60万円、そして裁判所への手続き費用や個人再生委員の費用で20万円~30万円前後が必要になる事が分かります。

この金額を見るかぎり「そもそもお金がなくて借金を整理するのに、それほどの大金は用意できない」と思う人も多いのではないでしょうか。

そこで、できるだけ費用をおさえて個人再生の手続きをおこなう方法を紹介します。

自分で申請する

個人再生を自分で申請する方法

1つ目の方法は、弁護士に依頼せずに自分で個人再生の手続きをする方法です。

自分で手続きをすれば、実際にかかる費用は「裁判所の手続き費用+個人再生委員の費用」のみとなり、かなり費用を抑えられます。

ただし、実際のところ弁護士に依頼せずに自分で個人再生の手続きをするのは、あまりおすすめできません。

個人再生は、書類の書き方によって申請が認められない事もあります。

再生手続きを裁判所に確定してもらうためには、豊富な法律の知識も必要です。

なにより、弁護士に債務整理を依頼した時点で、借り入れ先からの督促をストップできるというメリットもあるので、やはり個人再生はプロの弁護士事務所に依頼するのがベストな選択といえます

個人再生決定までに貯金しておく

2つ目の方法として、個人再生の手続きが完了するまでに貯金をしておく方法もオススメします。

以下は、個人再生の申請から決定までにかかる流れを一覧にしたものです。

一般的には、申請から確定まで約6ヶ月くらいかかります。

先ほども書きましたが、弁護士に債務整理を委託した時点で返済は一時的にストップできます。

したがって、返済しなくてもいい期間に弁護士費用の積み立てが可能になります。

<個人再生の申請から決定までの流れ>

期間 手続き方法
申請後、1ヶ月~3ヶ月程度 弁護士や司法書士へ依頼
個人再生の申し立て
申請後、4ヶ月~6ヶ月程度 個人再生手続き開始決定
再生計画案の提出
再生計画の認可、不認可の決定
再生計画にのっとって返済開始

分割払いや成果報酬にしてもらえる弁護士事務所を探す

3つ目の方法は、弁護士費用を分割支払いや成果報酬で支払う方法です。

ただ、分割や成果報酬で対応してもらえるかどうかは、依頼する弁護士によって違います。

個人再生の開始決定までの間は返済がストップしますので、その間に分割で弁護士費用を支払えるように配慮してもらえる弁護士もいます。

詳しくは弁護士へ依頼する際に、よく確認しておくようにしましょう。

個人再生の費用を支払えないなら国の制度も検討する

どうしても個人再生の費用を捻出できない場合は、国の支援制度を利用する方法もあります。

ただし、国の制度を利用する場合は厳しい収入条件をクリアする必要があるので、自分が適用されるかどうかをよく確認してから相談するようにしましょう。

福祉協議会が提供する総合支援資金は個人再生には使えない

個人再生に総合支援資金は使えない

費用の支払いが厳しいとき、福祉協議会が取り扱う「総合支援資金」を検討する人も多いでしょう。

たしかに、総合支援資金のなかには債務整理に必要な資金援助もあります。

しかしながら、結論からいうと総合支援資金は個人再生の費用には使えません。

なぜなら、破産や個人再生の手続きをおこなっているあいだは、法律で「金銭消費貸借契約ができない」と定められているためです。

総合支援資金は生活再建の目途がたっている人向けの、国の融資制度です。

残念ながら、法律で「金銭賃借契約ができない」と決められた個人再生手続き中の人は、総合支援資金の利用はできません。

法テラスの「費用立替」を利用する

法テラスとは「国民向けの法的支援サービスを提供する機関」のことをいいます。

法テラスには、弁護士費用の立て替え制度があるので、どうしても費用の支払いが困難な場合は相談してみましょう。

法テラスの立て替え制度が利用できれば、法テラスが利用者に代わって弁護士費用を支払い、利用者は後日法テラスへ費用を返済する流れとなります。

<法テラス立替制度を利用する場合のイメージ>

法テラス立替制度を利用する場合のイメージ

画像引用:法テラス

ただし、立替制度を利用する場合は一定の収入以下であることや、そのほかの条件をクリアする必要があります。

詳しくは、下記法テラス公式サイトをご確認ください。

引用元:法テラス公式サイト

まとめ

個人再生には一定の費用が必要

個人再生を認めてもらうためには、一定の費用が必要になります。

利用する人によっては、費用が高いため「債務整理すらできない」とあきらめてしまう人もいるかもしれません。

しかし、弁護士事務所によっては分割払いや成果報酬で対応してくれるところもたくさんあります。

たとえば、毎月5万円を支払う余裕があれば、個人再生を依頼してから確定するまでのあいだ6ヶ月間に30万円程度貯金しておくことも可能です。

個人再生は法律知識のない個人では難しい整理方法です。

費用の分割も含め、親身になって相談にのってくれる弁護士へ依頼するようにしましょう。

債務整理の情報まとめ

債務整理に関する記事を以下にまとめました。

以上、債務整理で個人再生する場合の費用と弁護士費用を払えない場合の対処法でした。

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(参照:債務整理で個人再生する場合の費用と弁護士費用を払えない場合の対処法

執筆者プロフィール

石崎 英司(いしざき えいじ)
石崎 英司(いしざき えいじ)
クレジットカード歴20年の専門家で、クレジットカードの券面の端の5ミリを見たら「何のカードか分かる」くらいのスペシャリスト。

今までにクレジットカードに関する記事を2,000記事以上公開。

クレジットカード・生命保険・年金などが得意分野。27歳から株を始め、株式投資も20年目のベテランでもある。

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